皆さんは「インナーチャイルド」という言葉を知っていますでしょうか?
近年注目されることが多くなった言葉なので、耳にしたことがあるという人も多いはずです。
しかし、名前は聞いたことがあったとしても、それをしっかりと説明できる人はそれほど多くないはずです。
社会に出て働いているものの、なかなか人間関係などを円滑に保つことができず、生きにくさを感じてしまう人は、もしかしたらインナーチャイルドが原因となっているかもしれません。
インナーチャイルドは、癒すことも十分に可能です。
そのためにまずすべきことは、「知ること」です。
この記事では、そんな「インナーチャイルドとは?」という疑問について解説していきたいと思います。
「インナーチャイルド」は、「内なる子供」とも呼ばれています。
どちらかといえばネガティブな意味として捉えられることが多くなっています。
主に幼少期の家庭環境や学校の人間関係などがトラウマになる負の感情のことです。
このトラウマは、大人になり社会人としての生きていかなければならなくなった時、特に影響が出てしまい、生きにくさを感じてしまいます。
要するに、「子供の頃の考え方をいつまでもしてしまう」わけです。
例えば、目の前に困難が立ちはだかった時に、一生懸命向き合い解決しようとするのではなく、「逃げ」を選択してしまいがちです。
さらに、必要以上に良い人であろうと感じ、無理をして演じてしまうこともあります。
感情を表に出せないため、ストレスを感じやすく、溜め込んで爆発させてしまう人も少なくありません。
自己肯定感が低くなりやすいので、「自分なんて」「自分はどうせ」といったように、頻繁に自己否定してしまうのも大きな特徴の1つです。
「共依存」などもインナーチャイルドによって引き起こされる症状であると言えるでしょう。
インナーチャイルドと言っても、その原因や症状には違いがあります。
自分がどのタイプに当てはまるのかを把握することから始めましょう。
幼少期に親や祖父母などから十分な愛情を受けられなかった子供は、「ロストラブタイプ」と判断できます。
過度に他者から嫌われることを恐れ、相手に依存してしまう傾向があります。
「人に心から愛されることはない」といった感情が大人になってからも残り続けるのです。
日本では、子育てにおいて「もうお兄ちゃんなんだからしっかりしなさい」「なんであなたはできないの」といった言葉を親御さんが使ってしまうケースが多いですよね。
こういった子育てをしている家庭で育った子供は、「褒められるように良い子でいなければ」といった感情が非常に強くなります。
「ニゲーションタイプ」です。
それゆえに、自分の本来の考えや感情よりも、周囲から評価去れる言動や行動を優先するようになってしまうのです。
学校の成績やスポーツなどにおいて、親から過度な期待をされながら育った子供は、「エクステクペーションタイプ」となる可能性を秘めています。
そのプレッシャーに押しつぶされてしまい、非行に走ってしまう子供もいます。
大人になってからも、周囲からの期待に激しい嫌悪感を感じてしまう可能性もあります。
世間体を気にしながら生活している家庭で育った子供は、「アビアランスタイプ」となる可能性があります。
親から「良い大学に入って良い企業に入ることが幸せ」と教えられて育った子供は、自分より学力が下の人、学歴が下の人、仕事ができない人を見下す態度をとりやすくなります。
また、その逆に自分より優れた容姿や能力を持っている人に対しては、一般的な人が感じる劣等感よりも更に強い感情を抱いてしまいます。
親御さんが子供に矛盾のある言動や行動を数多く見せてしまう場合には、「シークレットタイプ」のインナーチャイルドとなる可能性があります。
自分の意見を口に出すことが怖くなり、大人になっても本音を表に出さないことが多くなります。
人格や外見などを親などから否定されて育った子供は、「ディスライクタイプ」となる可能性があります。
自分に自信が持てず、自己肯定感が著しく低くなってしまう傾向にあります。
性格や外見に対して強いコンプレックスを抱きながら暮らすので、突如成形をしてしまったりする可能性も高くなります。
インナーチャイルドは、「他者を必要以上にお世話をする」といったタイプの人もいます。
こういったタイプの人は、「ヘルパータイプ」であると判断できます。
訳あって子供のころから親の代わりに料理を作っていたり、弟や妹の面倒を長時間みていた人は、このタイプのインナーチャイルドになりやすいと考えられます。
大人になってからも、自分からトラブルに首を突っ込み、暮らしの幸福度が下がってしまうといったこともあります。
幼少期に親や祖父母からたくさん甘やかされて育った子供は、「インダルジタイプ」だと判断できます。
自分の言うことを聞いてくれる相手に対して強く依存してしまい、その逆に自分の言動や行動を否定してくる人に対しては強い怒りをあらわにしてしまいます。
大人になってからも、非常に自己中心的な生活を送る人が多くなります。
自分の親がタバコやアルコール、ギャンブルなどに依存している環境で育った子供は「ディスペンデンスパーソンタイプ」のインナーチャイルドとなりやすい傾向にあります。
「こんな大人になりたくない」と感じていても、大人になってから無意識に親と同じように何かしらに依存してしまう可能性が高くなるのです。
インナーチャイルドの内容を解説しましたが、「アダルトチルドレンとは違うの?」と思った人もいるかもしれません。
アダルトチルドレンは、「幼少期に家庭や学校などで傷ついてしまった心やトラウマ」のことを指します。
インナーチャイルドも幼少期のトラウマが原因となるので、一見すると同じようにも思えます。
しかし、インナーチャイルドは、「子供心」も含まれている点が違います。
興味のある物事を前にしてワクワクしてしまうあのドキドキ感や、ゲームに熱中して大人気もなくはしゃいでしまうあの瞬間など、誰しもが子供心を持っているはずです。
それゆえに、決してネガティブな意味だけではないのです。
大人になると無意識に自分の行動や言動にブレーキをかけてしまう傾向にありますが、時には自分の感情を出すことも精神的な健康を保つためには重要だと言い得るでしょう。
インナーチャイルドを抱えたまま社会で生きていくのは、かなり大変です。
人によっては人間関係が上手く築けず、転職を繰り返す人もいるでしょう。
孤独を感じやすく、幸福感を感じることが少なくなってしまいます。
しかし、インナーチャイルドは大人になってから癒すことが可能です。
上手に癒すことができれば、徐々に生きにくさを克服していけるのです。
例えば、インナーチャイルドを癒し、客観的に自分を見れるようになれば、幼少期から繰り返してしまっている悪いい習慣や行動パターンも、行わないようにできるはずです。
また、自己肯定感も少しずつ高まっていき、自分らしく暮らしていけるようになるはずです。
そんなインナーチャイルドは、「潜在意識」を意識し、変えることで克服することができます。
人間には、自分で物事を判断する意識である「顕在意識」と、まったく自分の意志や考えが及ばない「潜在意識」の2つの意識が存在します。
驚くことにこの2つの割合は、およそ「顕在意識10%程度、潜在意識90%程度」だと言われているのです。
例えば車を運転していて赤信号で止まっている時、青信号に変わりアクセルを踏みますよね。
この時、「青に変わったからアクセルを踏もう」とは考えませんよね。
自分の視覚内にある信号機が青に変わった瞬間、「無意識に」アクセルを踏んでいるはずです。
これはまさしく潜在意識が体を動かしていると言えるでしょう。
要するに、我々人間が起きている間に下す決断のほとんどは、潜在意識が決めているのです。
この潜在意識は、工夫次第で変えることができます。
そして、潜在意識を変えることができれば、インナーチャイルドも少しずつ克服していくことができるのです。
・毎朝(例えば出勤時に)「上手くいっている自分」をイメージする
・「こうなりたい」という自分の理想像を言葉に出したり、紙に書いて部屋に貼る
・ポジティブな曲を聴いたり、ハッピーエンドのドラマや映画を観る
・一日の中で上手くいったことを手帳や日記に書く(ネガティブなことは書かない)
・ネガティブな言葉を意識的に使わないようにする
・悪い出来事はリフレーミングをしてポジティブに捉える
このような工夫を毎日少しずつ実践していくことで、確実に潜在意識を変化させていくことができます。
インナーチャイルドが強く出ていたころとは違い、無意識にポジティブな行動や言動が表に出るようになり、生きにくさが少なくなっていくことでしょう。
今回は、「インナーチャイルドとは?」という疑問について解説してきました。
「インナーチャイルド」は、「内なる子供」とも呼ばれ、子どもの頃のネガティブな体験がトラウマになる負の感情のことです。
大人になってからもその影響は色濃く現れます。
インナーチャイルドには、9つのタイプに分けられますが、大人になってからでも少しずつ改善することが可能となっています。
ここで挙げた潜在意識の変え方を実践していけば、少しずつポジティブな変化が期待できるはずです。
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